ガラパゴス
たまたま「日本の臨床研究はガラパゴス状態から脱却を」という記事タイトルを見た。最近話題の臨床研究での不正のことですね。
このタイトルに含まれる「ガラパゴス」とはエクアドル領ガラパゴス諸島の独自進化生態系の「独自進化とその生態系」の部分が由来で、日本での使われ方としては、「独自仕様」「独自の考え」「国内だけに通用する」「閉鎖的」などという、、、言ってみればあまり良くない意味なわけだ。たまたま見た記事のタイトルに使われているガラパゴスは「ローカルなルール」という意味だろう。
余りにも「ガラパゴス」という言い方が定着してしまって、しまいには「ガラケー」なんて略されて使われたり、「ガラパゴス」なんて商品まである始末だ。
ということを、この「日本の臨床研究はガラパゴス状態から脱却を」のタイトルを見て、突然思ったわけである。
で、ガラパゴスって人は住んでいないのか?
なんと、25,000人もの人が住んでいるではないですか!
何が言いたいかというと、日本で作って日本独自の仕様になってしまって、海外で通用しないものを、他国のガラパゴス諸島の奇跡の独自進化と同等に「ガラパゴス」と表現するのはどんなものかと。ちゃんと「閉鎖的な考えで作られた日本独自仕様の製品」と呼んだらどうだろう。じゃないとまるで日本人の考えが甘くなかったかのような言いぐさだ。ガラパゴスのせいではない。ガラパゴスは悪くない。ガラパゴス諸島にもガラパゴスに住んでいる方々にもとても失礼だ。エクアドルから正式に日本に抗議があっても良いくらいだ。
ということで、ガラパゴス諸島に住む皆様ごめんなさい。ぼくはもう、このような意味で「ガラパゴス」という言葉は使いません。
なんてことを思ってみた。